初泣き
2001年5月9日とある場所があって、猫はそこに立っていた。
地面は、空気の入っていない透明な氷。厚い氷の下には、くしゃくしゃの大きな紙が氷付け。
この紙は、A3とかの規格なんかじゃ図れない、大きな大きな紙。模造紙よりも大きくて、島を包むための包装紙くらいの大きさ。
紙の状態はくしゃくしゃ。いらない書類を捨てるとき、両手でくしゃっと丸めた紙を、あとで慌てて伸ばしたような。
その紙が、氷の下に見える。
紙には、大きな字でいろんなことが書いてある。
あれは猫が書いた字。何をするのかとか、誰かが言ったこととか。その紙が、欲しい。
でも、紙は氷の下で、字は大きいけど、大きすぎて全部は読めない。
立っていた猫はひざをついて氷の下のものをとろうとするけれど、透明な氷には傷ひとつつけることができない。
どうしよう。
泣きたいけど涙も出ない。
周りも見ても誰もいない。
今日はまったくそんな状況で、頭の中はめちゃめちゃ。
仕事で打ち合わせに参加して、何かを言ってみたりすれど、それをドキュメントに落とせない。
今日も定例会議に出たけど、自分が何をしてきたか、事後報告も来週の予定もままならない。
それはつまり、自分が何をしていて、今後何をすべきかわかっていないわけで。
っていうことすらもわかってない自分がいたわけで。
きょうは、全体の定例のあと、猫の担当プロジェクトの会議をした。そのときYさんが、
「ぼくが思うに、猫さんが、色々抱え込んでしまって、仕事を回せていないんじゃないかなと。ここらでそれぞれのタスクの洗い出しと、責任の明確化を図りたいと思うんですが」
といった。
Yさん、猫が静かなパニックになってるの、わかってくれてたんだ。なんか、すごい感動。
IさんもYさんも、色々説明してくれる。でも、Yさんの言うことが、一番無駄がない。
Iさんの言うことは、わかるんだけど、結局全部猫が考えないといけない。投げるものだけ投げてくれるんだけど、方向性がない。
Yさんが言うことは、投げられたものをいかに置くか。そういう分析をして、仕事を振り分けてくれる。さすがプログラマ。
同時にYさんはディレクターとしても最高だと思う。
きょうね、やっとわかったの。
「どこまでやっていいのか、どこまで決めていいのかわかんないんです」
って言ったの。ばかみたいな言い方だけど。
もっと具体的にこれが不明です、ってはっきり言えればいいんだけれど。
そしたらね、このプロジェクトに関しては、猫が全部仕切るんだって。つまり、タスク洗い出して、そのタスクを誰にお願いするかとか、そういう。
しかも、そのベース、なんにもない。それを作りながら、人に仕事頼んで、さらに人材集めて、雑誌やネットに求人出して・・・。
ぜんぶ、やるんだって。
だって、そんなの、やったことないもん。猫がやらなきゃいけないってこと、1ヶ月たって、ようやくわかった。これは、その、どんなこと、じゃなくて、 I have to do it ってこと。what should I do じゃなくて。
あたまが、めちゃくちゃ。
Yさんが、Iさんが、あきれてるのがわかる。
もしかしたら勘違い?ううん、絶対あきれてる。
入社1ヶ月。でも社会人歴は長い猫。
どうしよう。なんにもできないよ。
そう思ったら、会社のトイレで泣いちゃった。
他の社員の人と話してて、「あたしたち、今暇ですから手伝いますよ。使ってください」って言われて。
みんな、いいひとなの。
でもやっぱり、猫が仕事しなきゃいけないことに変わりはない。そう思ったらプレッシャーで怖くて。
そんなことしながら、恋心もごろごろ。
泣きたいと思ったとき、
逃げたいと思ったとき、
やっぱり・・・・。
でも、どうしよう。
やきもち妬いて、でも仕事のことで頭がいっぱいで、泣きたいのに涙が出なくて。
おうちに帰ってきて、昨日より1時間早かった。夜11時20分ごろご飯を食べながら、泣きたいなあ、って思った。
あれほど泣きたかったのに、帰ってくると泣けないなんて。なんでかなあ。。。
今週中、って言われてることがあるのに、ちっとも終わらない。
猫、ある意味とても女っぽいことに気づいた。
こないだTくんと会ったとき、
「女の人はまじめだから、その部分をすごく一生懸命するんですよ。でも、もっと物事は長い目で見ていかないと。男は、そういう視点でものを見るんですよ」
とか言ってた。
まあ、女性男性に関わらずいろんな人入るけれど、コト私に関しては当たってる。
してることがみんなカラ回り。情けない。
会いたくて。
しなきゃいけないこととできないことはイコール。
したいけどしちゃいけないこともイコール。
どうしよう。会いたい。
どうしよう。会いたくない。
ああこわい、仕事しなきゃ。
いったい・・・・
どうしたらいいんだろう。
読み返さず、UPします。
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