死ねってこと?

2001年1月17日
テレビで歌いながら涙ぐむ歌手を見て母が言った。
「自分に酔うタイプよね。他人のことでは泣かないのに、自分のことだと泣くのよね」
だから私が言った。ウケ狙いのつもりだった。
「ナルシストっていうほどの顔じゃないのにねえ(笑)」
父は、
「顔じゃねえんだよ」
と、わりあい普通に言った。

もちろん、さっきのは冗談だったから、
「冗談じゃん。わかってくれよぉ〜〜」
と言った。心の中で、ほんの少しだけ、「わかって”くれよ”」っていうのはマズいかな、って思ってはいた。心の奥底で、少しはそう思っていた。だけど、


そのとき父が突然怒鳴った。
「親に向かって何だその口の利き方は!男だったら命取られてるぞ!友達に聞いてみろ!親にそんな口聞く奴があるか!!」

涙が出てきた。心の中で、「じゃあ殺せば?」と思った。たしかに、親に対してそういう口を利いたのはいけないのかもしれない。でも、なんでこんなことでそこまで言われなきゃいけないんだろう。だって、女に生まれていなければ殺すんでしょ?友達は、これを言ったらなんて反応するんだろう。やっぱり、私は殺されても仕方ないくらい悪いことをしたんだろうか。

心の中で、「そのくらいで命取る、なんて言う親はいないよ。だったら従妹のYなんて、毎日何度も殺されるんじゃないの?」とも思っていた。刺してやろうかと思った。今年に入ってから、こう思ったのは2度目。これって、かなりまずいかもしれない。

そりゃさ、私、いい年してフリーターだよ。でも、親にお金をせびったりはしていないし、電話代を何万も使ったとかもない。たしかに、月々3万円しか家に入れていないけど、それは欠かさず入れているのに。私だって、安定した仕事がしたいよ。

去年、就職活動をしていて、途中経過で就職できるかも、とは言ったよ。でも、そこも落とされちゃったんだもの。私も、先行き見えなくてとても不安。でも、その日暮らしでも仕事をしよう、って頑張ってるし、去年はかなりみじめな思いをするような仕事もやった。お金、稼がないとって思ったから。

殺してくれって気持ちと刺してやろうか、って思う気持ちが交錯する中、「ああ、お父さんも私の先行きが不安なのかな」とか「お母さんが心臓の病気かもしれないと思うと、お父さんも心配でいらいらするんだろうな」とか色々考えた。
声を出さずに涙を止める努力をしているところに、まるでフラッシュのように。

父親は、もう年金をもらえる年齢に達している。自営業とはいえ、いつでも仕事をやめることができる。社長って言えば聞こえはいいけど、誰も助けてくれないから、朝早く起きて、朝の8時くらいから仕事をしてる。

そんな時、私は昼まで眠っていることも多い。遊びに行って、朝帰りして父親の作った朝食を食べて眠ったこともある。月3万円しか入れてなくて、3万以上の生活をしていることはわかっているけど。

この日記は私が書いているから、私に有利になってしまうんだろうとは自分でも思う。

だけど、理屈で言ったら、
「男だったら命取られてるぞ」=「男だったら殺されるぞ」=「男だったら容赦せず殺すぞ」=「女でなければ死ね!」ってことだと思った。

お母さんがお皿を洗い始めたので、本当はお皿を洗うのを手伝いたかった。でも、今日はもう涙が止まらずに、その場にいたくなかった。

涙を流しながら、なぜ怒鳴られたか、なんと言って怒鳴られたか、というのを思い出すのに数分かかった。

なぜいつも私だけ怒られるんだろう。なぜ誰もかばってくれないんだろう。
それは、周りに言わせると、やはり私の態度や言い方が悪いらしい。そして、私はそれにちっとも気づくことができない。

家族の中で、私ってそういう気の遣い方しか出来ていないんだろうか。じゃあ、対人の仕事をしているのに、私は仕事のときも、相手に「ああ、この人はこれで気を遣っているつもりなのね」と気遣われているんだろうか。

そっと部屋に戻って、止まらない涙をふき、キーを叩きながら「これであのひと(父親)は、何も思わないのかな」と考えていた。

そうしたら、「お茶飲めー」って父親から声をかけられた。たぶん、ちょっと優しい声を出していたと思う。(食後にいつも、お茶を飲む習慣)
きっと、それが父にとって最大の「ごめんね」なのかもしれない。それは、長年あなたの娘をやっていればわかる。でも、わかっても、涙はまだ止まらないし、やっぱり死んだほうがいいのか、とも思う。

悲しいかな、明日・明後日は友達に頼まれた、20人相手の仕事がある。もしも今死んでしまったら、彼女に迷惑をかける。
だから今日は、死ねない。

まえに、本当に死にたいと思ったのは、昨日誕生日を迎えた人に裏切られたときだった。でも、あのときは能動的に「死ぬ」という行動に出られないほど参っていて、あの時もやはり仕事があるから、と思って毎日会社に通っていた。

同じ季節にまた死にたいと思うなんて。これであの時と同じく雪でも積もったら、今度こそいなくなるかもしれない。

だけどそう思ったときから数日後、「生きててよかった」と思うことがあると、死ぬのを思いとどまることができる。

こんな心情を明日会うHには言えないけど、彼女のいるHの前では泣けないけど、でも、会えるから、強がってられるから、生きてて頑張ろうよ、って自分を励ます。

今日は、心配してた仕事も無事に終わって少し緊張が解けた。それで電車でも気がつけば眠っていたりもした。

Mの影響でCDやさんに寄って、あれとこれが欲しい、って目星もつけた。なのに、帰ってきてこんなことがあるなんて。いいかげん涙も止まって欲しい。

明日は20人が私を待ってる。私がどんな思いでいようと関係ない。彼らは、私が教えに来る、と思って待っている。とりあえず、20人の他人のために。私を踏み越えて成長していく20人のために今夜は頑張ろう。

そして、その仕事が終わったら、Hの顔が見られる。強がったメールで「明日○時に池袋ね」って送っておこう。だって、Hは今日、彼女と会っているはずだから。

目を冷やして、明日腫れないようにしなくちゃいけない。さあ、生きなくちゃ。

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